1963年に発売されたキヤノンの「デミ」は、半分を意味するフランス語が語源とするハーフサイズカメラです。通常のフィルム画面の半分で撮影するので例えば36枚フィルムを使うとなんと倍の72枚撮影できます。
初代のデミは真鍮クロームメッキカバーで重厚感ありで登場しましたが、その後アルミカバーに変更され、軽くて軽快な取り回しで大ヒットしました。
今回このCanon Demiは後期型、アルミカバーのデミです。
レンズは28mm F2.8の明るい3群5枚構成の高性能レンズ、シャッターはビハインド式のライトバリュープログラムを搭載、適正露出を約束する追針合致式のセレン光電池露出計を内蔵するなど、高性能・高機能でありながら、ポケットに常時収めておきたいような可愛らしい外観フォルムでした。
特筆すべきは、この時代にはぜいたくな被写体が明快に見える実像式ファインダーを採用。実像式ファインダーはそのままだと像が上下さかさまになってしまうので、内部にプリズムを使って正立像にしており、とてもお金のかかった構造です。
セレン式の露出計を装備してあり、シャッタースピードリングを回して
セレンで動作する針と合致させて露出を合わせます。
マニュアル的操作も行えるのでなかなか良い操作方法だと思います。
さてこの個体、なんといっても限定販売された赤青白の三色カラーのうち、超希少な赤バージョンです。さらにセレン(露出計)がしっかり動くものはもうほとんどないと思われます。
レンズキャップも特別色用の白(ふつうは黒です)、ケースも当時のCanonロゴ入り赤です(ふつうは黒です)。
レンズ、ファインダーとも全く申し分のない美しさを保っております。
難を言えばアルミケースならではなのですが、各所に若干の擦れ、極小の当たりによる凹みがあります。4枚写真を拡大してご確認ください。
いつも試写をして感じるのは非常によく写るカメラであること。実際、撮影した写真をみていただけたらこのカメラの実力をはっきりご理解いただけるかと思います。また壊れづらいといわれるキヤノンのシャッターユニット。末永く旅のお供になれると思います。
電池も不要でフィルム代も半分。まさにSDGSでECOなDEMI。そして持っているだけで所有欲を満足させる限定赤バージョン。ぜひこれを機会にフィルムカメラを楽しんでいただければ幸いです。
付属品:
純正フロントキャップ(貴重白)
純正リストストラップ
純正ケース(赤、当時の質感そのままの良品)
(管理#270)